父親たちの星条旗

硫黄島2部作の第一弾、アメリカから見た硫黄島の映画です。

最初に、この映画の予告編を見たとき
「なんだ、またアメリカが自らを美化するための戦争映画を作ったのか」と思った。
ところが、これが2部作で、もう一本が日本から見た硫黄島を描いた作品であることから、「これは違うな。見ておきたい。」と思ったのでした。

http://www.asahi.com/culture/enews/image/RTR200608220029.jpg
この写真の出展:asahi.com朝日新聞です。
この写真、日本人である自分でさえも見たことがある。
物語は、この写真の真実について、この写真に写ったとされる人の息子が取材をした、という展開。

今までの、アメリカの戦争映画と言えば、ベトナム戦争のように、アメリカが勝てなかったものを描くことが多かった。勝てなかった戦争を描けば、自らが被害者であるかのように描ける。
太平洋戦争の映画といえば、数年前のディズニーが作った「真珠湾」などがあるが、日本人が見て納得できる内容ではなかった。
しかし、今回のこの映画。
戦争とは、まさに殺し合いであることをリアルに描いている。そこに、英雄などというものはいない。
それが、この1枚の写真によって英雄と祭られて行く。


なんとも言えず、重い真実を突きつけられた映画でした。
2部作の日本から見た硫黄島もこちらも、クリント・イーストウッドが監督をしています。
この映画の評価。
★★★★☆
インタビューをしているシーン、戦場でのシーン、英雄として祭られているときのシーンといったりきたりしているため、一部内容がわかりにくくなっています。それにより描きたいものは理解できるのですが・・・。
能天気なアメリカ映画に辟易としていましたが、久しぶりに実のあるアメリカ映画でした。