風景

電車に乗っていると、「駅」というのは一つの風景になる。
古い路線だと、駅それぞれに歴史がある。
だから、それぞれの駅がそれぞれの風景を作り出している。

時代は移り変わっている。
古い路線は、踏切が多い。
その路線ができたときからは、考えられないくらいの電車が通過している。だから、線路によって町が分断されている。
それを解消するために、高架に造り変えることになる。

高架になると、すべての駅を造り変えることになる。それぞれに、個性的な駅を造ればいいのだが、没個性の駅が出来上がる。


中央線に久しぶりに乗った。
現在、高架化の工事中だ。下り線は概ね完成した。

中央線の、それぞれに個性的な駅が、普通の駅になっていた。

便利になる喜びより、どこか寂しさを感じた。